雇用関係助成金には「生産性要件」というものがあります。一言で表すと、本来もらえる助成金+αの部分です。

もらうためには条件がありますが、もちろん「条件をクリアしなければ助成金を1円ももらえない」というものではなく、

条件をクリアすると本来の助成金+αで追加でもらえちゃう」というヤツです。せっかく申請するなら取りこぼさないように、チェックしておきましょう。

「生産性要件」制度の目的

何でこんなボーナス制度が設定されてるの?ということについて簡単に説明します。

めんどウサギ
その前に画像が不適切じゃない?パチ〇コだよねこれ?射幸心煽ってるよねこれ。

詳しいカエル
スルーしてくれ。

はい、日本って少子高齢化ですよね。つまり、働ける人(労働力人口)が現在進行形で減っていきます。でも国としては何とか経済成長していきたい。

詳しいカエル
それで「労働生産性を高めましょう!」というワケじゃ。

めんどウサギ
ふむふむ。具体的にどうやって生産性を高めるの?

具体的には「従業員のスキルアップ・モチベーションアップ、働き方改革、働きやすさ改革、業務の効率性・成果を高める設備の導入」が挙げられています。

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生産性要件とは

それでは中身を見ていきましょう。まずは何も考えずに目を通してみてください。

生産性要件は2パターンあります。まずは基本的なパターンからいきましょう。

生産性要件その①

助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、その3年度前に比べて6%以上伸びていること

詳しいカエル
助成金をもらう申請をする時点で、3年前に比べて「生産性」が6%以上あれば条件クリアじゃ。

めんどウサギ
あ、同じこと言った。
生産性は、決められた式で計算します。後で説明します。
続きまして2つ目の生産性要件です。

生産性要件その②

助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、その3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること。この場合、金融機関から一定の「事業性評価」を得ていること。

めんどウサギ
うん、意味不明。

詳しいカエル
最近のウサギは諦めが早いのう。
事業性評価がキーワードです。厚生労働省の説明を載せます。(スルーしてもらって大丈夫です。)

「事業性評価」とは、都道府県労働局が、助成金を申請する事業所の承諾を得た上で、事業の見立て(市場での成長性、競争優位性、事業特性及び経営資源・強み等)を与信取引等のある金融機関に照会させていただき、その回答を参考にして、割増支給の判断を行うものです。

なお、「与信取引」とは、金融機関から借入を受けている場合の他に、借入残高がなくとも、借入限度額(借入の際の設定上限金額)が設定されている場合等も該当します。

生産性要件パンフレット(厚生労働省)

めんどウサギ
うん、よく分かったよ。

詳しいカエル
絶対分かってないやん。。

詳しいカエル
つまり、生産性を6%上げるのが基本ルール(①)じゃが、会社とお付き合いのある銀行が「OK!」って言ったら1%上げるだけでよくなるのじゃ。

めんどウサギ
なるほど!ナイスカエル!
助成金によっては、この②のルールが適用されなくて「①しかダメ!」という場合もあります。中には①②以外の複雑なルールを設定している助成金もあります。少しややこしいですが、申請する助成金によって違うという点を覚えておきましょう。基本は①の通りです。

生産性要件の計算方法

「生産性が上がったかどうか?」を判断する方法は決められています。

簡単に言うと、会社の家計簿(損益計算書など)から決められた項目を抜き出して、決められた式で計算します。これは国がしてくれるワケではなく、自分で計算しないといけません。

めんどウサギ
うわー。計算苦手。サイン・コサインとか覚えてないよ。

詳しいカエル
大丈夫。足し算・割り算・引き算だけじゃ。

計算した生産性の数字が、3年前よりも①6%もしくは②1%伸びていれば条件クリアでボーナスGETです。式を見てみましょう。

生産性を求める式

生産性=付加価値※÷雇用保険被保険者数(雇用保険に入っている人)
※付加価値=営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課
1つ注意点として、付加価値を計算するときの「人件費」は「従業員給与」のみです。役員報酬などを含めるのはNGです。

詳しいカエル
「生産性要件算定シート」というものが厚生労働省のサイトからダウンロードできるのじゃ。

めんどウサギ
ほう、優しいのね。
該当する勘定科目の額を損益計算書や総勘定元帳の各項目から転記することで、計算することができます。
企業会計基準という基本ルールに沿っているので、「うちは違う項目で記録してるから当てはまらないよ!計算できないよ!」という場合は申請先の労働局に問い合わせてみましょう。他の方法で計算できるようにアドバイスをくれます。

生産性要件が設定されている助成金

ご参考に、生産性要件が設定されている助成金をずらーっと載せておきます。具体的な金額については、それぞれの助成金の概要記事を参考にしてください。

<再就職支援関係>

「労働移動支援助成金」

  • 早期雇入れ支援コース ※①②の他に生産性要件が複数あり
  • 中途採用拡大コース ※①のみ

<雇入れ関係>

「地域雇用開発助成金」

  • 地域雇用開発コース

<起業支援関係>

「地域雇用開発助成金」

  • 生涯現役起業支援助成金 ※①のみ

<雇用環境の整備関係>

「人材確保等支援助成金」

  • 雇用管理制度助成コース
  • 介護福祉機器助成コース
  • 介護・保育労働者雇用管理制度助成コース
  • 人事評価改善等助成コース ※①のみ
  • 設備改善等支援コース ※計画期間、設備等に対する金融機関からの融資の有無によって計算方法が異なる
  • 雇用管理制度助成コース(建設分野)
  • 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
  • 作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)

「65歳超雇用推進助成金 ※①のみ

  • 高年齢者雇用環境整備支援コース
  • 高年齢者無期雇用転換コース

<仕事と家庭の両立関係>

「両立支援等助成金」

  • 出生時両立支援コース
  • 介護離職防止支援コース
  • 育児休業等支援コース
  • 再雇用者評価処遇コース
  • 女性活躍加速化コース

<キャリアアップ・人材育成関係>

「キャリアアップ助成金(すべて対象)」

  • 正社員化コース
  • 賃金規定等改定コース
  • 健康診断制度コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 諸手当制度共通化コース
  • 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  • 短時間労働者労働時間延長

「人材開発支援助成金」

  • 特定訓練コース ※①のみ
  • 一般訓練コース
  • 教育訓練休暇付与コース
  • 特別育成訓練コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース

<最低賃金引き上げ関係>

「業務改善助成金」

ざっくりまとめ

「生産性要件」と聞くと難しそうですが、実は計算も大したことはありません。結構設定されている助成金が多いので、申請漏れや計算間違いのないように活用しましょう。繰り返しになりますが、計算した結果、生産性要件を満たさなくても本来の助成金はもらえるのでご安心を。

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